受験者(1)    NEXT →



A:
(こんにちは)


(こんにちは)

〔緊張のため、やや口ごもる。〕

C:
(お座りください。お名前は?)

●●
(●●と申します。)

A:
(どちらからお越しですか?)


(京都から来たのですが。)

A:
(今日は台風で来るのがたいへんだったでしょう。)

〔一同、京都から来たことに少し驚いた様子だった。〕



(はい。6時30分の新幹線で来たのですが30分ほど遅れました。でも、早く家を出たので時間通りに来ることが出来ました。)

A:

(では始めましょうか。日本のサラリーマンたちは、韓国でもそうなんですが、家庭よりも仕事を優先するでしょう。それについてどう思いますか?)





 
(私も5年ほどサラリーマンをしていたのですが。私もそうでした。何故なら、男はなんと言っても金儲けが一番と思っていましたから。でも、問題も多いと思います。離婚する人もいるでしょうし、子供の教育が疎かになりもするでしょうし。でも、そんな問題があったとしても仕事を一生懸命する価値があると思います。男として生まれた限り、そのように生きるのもカッコいいと思いますからね。)
〔予想外の質問にしどろもどろになりながら答えた。試験官Aが少し聞こえにくそうな面持ちだったので、話しながら不安になり、ますますしどろもどろになった。〕

A:
(日本人は中古車より新車を好むようですが。何故なんでしょうか?)





(私もそうですね。車を買って3年乗ると新しい車を買って、また3年乗ると新しい車を買って。それは日本人の国民性のようです。新しく出るものに関心が多いみたいです。でも最近は不況のためか、新車より中古車を買う人が断然多いと聞いていますが。)

〔さらなる予想外の質問にしどろもどろになる。だんだん自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。〕

A:
(京都から来られたとおっしゃいましたが。舞妓と芸子にはどんな違いがあるのですか?)



(こんなことを言っていいのか・・・。舞妓は処女で、芸子はそうでない女性というように理解しているのですが。)

A:
(舞妓は何をするのですか?)



(酒場で歌ったり、接待をしてくれたり、そんなことでしょう。ところで私のような一般人は舞妓のいる酒場には行けません。高くて。)

A:
(私もダメですかね?)



(京都に祇園という繁華街がありまして。そこには舞妓のいる酒場がたくさんあります。でもそこには社長さんとお坊さんしかいないそうです。)

A:
(えっ、お坊さんですって!)


(京都で一番金を持っているのは坊さんなんですよ。)
〔舞妓と芸子の違いなど当然知らず、咄嗟に上記の返答をすると3人とも驚いた様子だった。今考えるとたいへん恥ずかしい。お坊さんの話しでは3人とも笑ってくれ、少しリラックスできた。〕

C:では最後に日本語でお聞きします。茶道について説明してください。







(韓国にも「タド」という似たようなものがあると聞きましたが。実際、私はよくわかりません。まずくて、堅苦しくて、面倒くさくて、そこまでして茶を飲みたいかと思うんです。でも中世から、室町時代から伝わる文化ですからこれからも大事に受け継ぐべきと思います。ところで最近日本の茶道は、伝統文化というよりも女性が結婚する前に花嫁修業として行うもののようです。女性の親が嫁に出す前に「習っておけ」とさせるものなんですよ。)

〔日本語で質問されて、日本語で答えるべきかどうか迷ったが朝鮮語で答えた。試験官が何も言わなかったのでそのまま朝鮮語で話し続けた。茶道について説明するつもりが、個人的な見解を述べてしまった。途中で話しの内容を変えようと思ったが、緊張と疲労のあまり、どうすることもできなかった。〕

A :
(お疲れ様でした。)


(ありがとうございます。)

 

 

 
 
     NEXT →