第2次口述試験の傾向と対策

  1. 【1】第2次口述試験の概要
  2. 【2】2009年度の試験内容
  3. 【3】2010年度受験の対策

*近年の第2次試験レポートを通訳案内士試験資料室にて公開しております。

【1】第2次口述試験の概要

国土交通省が、2006年4月に発表した通訳案内士試験のガイドラインによる第2次口述試験の概要は下記の通りである。

[1]試験の目的

筆記試験で問うた総合的な語学能力並びに日本地理、日本歴史及び一般常識の知識を総合的に活用して行われる、通訳ガイドの現場で必要とされる実践的なコミュニケーション能力を問うこと。併せて、通訳ガイドとしてのやる気・熱意や適性を判断すること。

[2]試験方法

  1. 外国語の種類は、受験者が筆記試験において選択した外国語の種類と同じとする。
  2. 試験時間は、1人当たり8分程度とする。
  3. 試験実施方法は、受験者ごとに質問事項が大きく異なることがないような方法とする。そのため、4〜5パターンの問題群を作成し、試験の時間帯を2時間ごとに区切り、その間の受験者には同じ問題群を出題する。終了者からの問題の漏洩を避けるため、当該時間帯の間、終了者を未受験者と別の部屋に待機させ、通信機器を預かる等の措置を取る。
  4. 各問題群は、例えば日本人の生活や習慣の分野から1問、日本の伝統文化の分野から1問、現代日本社会の分野から1問というように出題分野を統一するとともに、時間帯によって大きな差が出ないように、質問内容のレベルを合わせる。
  5. 出題は、訪日外国人旅行者が関心を持ちそうな事項について、実際のガイドの現場を想定したロールプレイング方式を中心とする。
ロールプレイング方式とは

2006年度より採用された試験方式で、試験官を外国人観光客、受験者を通訳ガイドと想定して質疑応答がなされた。この部分が試験の中で一番重要なところである。

日頃から、通訳ガイドの立場から日本的事象などを説明するという心構えと練習が必要である。

[3]合否判定

  1. 合否判定については、試験官ごとに基準が大きく異なることがないよう、あらかじめ以下の評価項目ごとに、具体的な合格基準について試験官の間で認識を統一しておくものとする。その上で、全ての評価項目についてこの合格基準を満たした者を合格とする。
  2. 評価項目

    ・聞き取り ・表現力 ・発音・文法 ・回答能力(臨機応変な反応力を含む。) ・やる気 ・熱意 ・適性(旅行者に与える印象の良否、ホスピタリティ精神の有無等。)

  3. 試験委員(試験官ではない)

    • 試験委員は、原則として、外国語ごとに2人以上選任されるものとする。
    • 試験委員は、試験問題の作成及び合否の判定に関する事務を行う。
  4. 合否判定については、あらかじめ評価項目を定めておき、全ての評価項目について合格基準に達した者を合格者とする。

[4]通訳案内士試験口述試験評定票

最近の調査により、第2次口述試験には下記内容を含む評点票があり、試験官はこの評点票に試験結果を記入していることが判明した。

  1. 受験者の受験番号、氏名
  2. 試験官の氏名
  3. 6つの評価項目

    • 聞き取り
    • 表現力
    • 発音・文法
    • 回答能力
    • やる気・熱意
    • 適性
  4. 各評価項目の評価を記入する欄

    • 評価は3段階で、Poor, Good, Excellent となっている。
    • Poor の評価が一つでもあると、原則的に不合格と判定される。
  5. 各評価項目の合否判定欄
  6. 総合判定欄
  7. 最終判定欄
  8. 不合格の理由などを記入するコメント欄

【2】2009年度の試験内容

2009年度の試験は、東京会場(2008年度は2ヶ所であったが2009年度は1ヶ所)、京都会場、福岡会場の計3ヶ所で実施された。その内容は、次のようなものであった。

[1]試験官

試験官は、基本的に、外国人(ネイティブスピーカー)と現役通訳ガイドと思われる人の2名1組で実施された。

試験官の主な担当は次のようなものだった。

  • 外国人:主要な質問をほとんど担当。
  • 現役通訳ガイド:進行役、および時々質問も担当。

[2]試験時間

受験者1人あたり、約5〜8分。

[3]試験内容

  1. 最初に、受験者の氏名と住所を質問された。

    最も標準的な質問の仕方は下記のようなものである。

    Please tell us your name and where you live.

    試験官により、Where are you from?と聞かれる場合があるが、自分の出身地ではなく、現在住んでいる場所を答えること。

  2. 次に、6種類の問題群から3〜6問の質問がされた。

[4]留意点

2006年度、2007年度、2008年度には歴史的な事柄が必ず出題されていたが、2009年度においてはほとんど聞かれなかった。また、2008年度には日本の飲食物に関する事柄が出題されていたが、2009年度においてはほとんど聞かれなかった。その代わり2009年度においては、年中行事と文化に関する出題が目立っている。2010年度は、かなり高い確率で年中行事と文化に関する事柄が出題されることが予想される。

[5]6種類の問題群

時間帯別に6質問1組となる6種類の問題群(計36質問)が用意され、基本的にその問題群から質問がされた。

問題群右に記載された時間帯は、各会場共通に質問された時間帯を示す。但し、京都会場では、他会場と比べて問題群と時間帯の管理がきちんとなされていなかったので、時間帯毎の質問内容の区別は曖昧であった。

問題群(1)(10:00〜11:00)
(1)日本の大きさはどれくらいか。
How big is Japan?
(2)日本の世界遺産を一つ挙げて述べよ。
Will you tell me about one of Japan’s World Heritage sites?
(3)文楽とは何か。
What is Bunraku?
(4)歌舞伎とは何か。
What is Kabuki?
(5)招き猫とは何か。
What is Maneki-neko?
(6)お盆を外国人観光客にどのように説明するか。
How do you explain Obon to foreign tourists?
問題群(2)(11:00〜12:00)
(1)日本の地形的な特徴を述べよ。
Please tell me about the topographical features of Japan.
(2)桜はいつ、どこで見られるか。
When and where can I see cherry blossoms?
(3)七五三とは何か。
What is Shichi-go-san?
(4)盆栽とは何か。
What is bonsai?
(5)日本の会社員の定年はいくつか。
What is the retirement age for company employees in Japan?
(6)現在の世界的な経済不況をどう思うか。
What do you think of the current global economic recession?
問題群(3)(13:00〜14:00)
(1)日本の気候はどんなものか。
What’s Japan’s climate like?
(2)東京の中でどこを訪れることを勧めるか。
Where in Tokyo would you recommend I visit?
(3)俳句とは何か。
What is Haiku?
(4)日本人の平均余命は何歳か。なぜ日本人は長生きなのか。
What is the average life expectancy of the Japanese? Why do they live so long?
(5)日本の武道について述べよ。
Tell me about Japanese martial arts.
(6)日本の海外貿易について述べよ。
Tell me about Japan’s overseas trading. What Japanese products are most dominant abroad?
問題群(4)(14:00〜15:00)
(1)日本の四季について、外国人観光客にどのように説明するか。
How would you explain Japan’s four seasons to foreign tourists?
(2)日本を訪れる旅行者の数よりも、日本から海外に行く旅行者の数が遥かに大きいが、どう思うか。
What do you think of the fact that there are far more people going abroad than people coming to Japan?
(3)義理とは何か。
What is Giri?
(4)相撲とは何か。
What is Sumo?
(5)日本の子供はなぜ塾に通うのか。
Why do Japanese children go to cram schools?
(6)もし交通渋滞の中、ツアーバスの乗客の女性がトイレに行きたいと言ってきたら、通訳ガイドとしてどうするのか。
What would you do as a tour guide, if a woman on your tour bus says that she wants to go to the restroom in a traffic jam?
問題群(5)(15:00〜16:00)
(1)日本を訪れるのに最も心地よい季節はいつか。
What is the most comfortable season to travel in Japan?
(2)なぜ日本にとって観光が重要なのか。
Why is tourism so important to Japan?
(3)東京で買物に行くなら、どこがお勧めか。
Where do you recommend if I want to go shopping in Tokyo?
(4)日本で安いものを食べたいが、どこがお勧めか。
Where would you recommend if I want to eat some inexpensive food in Japan?
(5)障子と襖を外国人観光客にどう説明するか。それらの違いは何か。
How do you explain shoji and fusuma to foreign tourists? What is the difference between them?
(6)七夕とは何か。
What is Tanabata?
問題群(6)(16:00〜18:00)
(1)日本のどの地域に最も多く雪が降るのか。
What part of Japan has the heaviest snowfall?
(2)日本庭園について述べよ。
Tell me about Japanese gardens.
(3)団扇と扇子とは何か。それらの違いは何か。
What are Uchiwa and Sensu? What is the difference between them?
(4)平仮名と片仮名の違いは何か。
What is the difference between Hiragana and Katakana?
(5)駅周辺や通りに不法に駐輪されている無数の自転車についてどう思うか。
What do you think of the numerous bicycles illegally parked around stations and on streets?
(6)なぜ通訳ガイドになりたいのか。
Why do you want to be a tour guide?

【3】2010年度受験の対策

(1)参考書(ハロー関係の必須書籍)

  1. 「日本的事象英文説明300選」
  2. 「第2次英語口述試験レポート」(2010年受験用)
  3. 下記「直前対策プログラム」のテキスト
  • 『英語第2次試験の傾向と対策セミナー』
  • 『英語第2次試験対策特訓セミナー』(1)(2)(3)
  • 『英語第2次試験直前対策セミナー』
  • 『英語第2次試験対策 模擬面接個人指導特訓コース』

(2)自分に関する質問の答え方(氏名、住所、職業、趣味、受験動機など)

[氏名]My name is Taro Yamada.
[住所]I live in Suginami, Tokyo.
[職業]I work for IBM.(会社員の例)
I teach English at a junior high school.(教師の例)
I am married and have no job.(主婦の例)
I have no job now. I have been studying English to be a professional tour guide.(無職の例)
[ガイドの
理想的な趣味]
My hobbies are reading books, playing tennis and traveling.
[受験動機]I would like to contribute to the mutual understanding and friendship between Japan and foreign countries.
※自分の原体験に基づいた動機も是非用意しておくこと。

(3)「あなたは何故通訳ガイドになりたいのですか?」という質問は、毎年必ず聞かれるので、きちんと回答できるように準備しておくこと。

(4)その他の注意点

  1. 「ガイドライン」に、試験は、「実際のガイドの現場を想定したロールプレイング方式を中心とする」とある。試験官の質問に対しては、外国人観光客に対応する日本の通訳ガイドの立場になって答えることが重要である。
    • What is a package tour?
    • It is a kind of an arranged tour which includes hotel and transportation reservations. It is very convenient for those foreign tourists who come to Japan for the first time.
  2. 回答している時は、質問者の目を見ながら答えること。(アイコンタクト)
  3. 質問の意味がよく理解できない時は、必ず問い直すこと。
  4. ゆっくり、はっきり、元気よく、大きな声で応答すること。
  5. 長い沈黙は絶対に避けること。
  6. 試験官とは談笑するような気持ちで、にこやかに対応すること。決して議論したり、反抗したりしてはいけない。
  7. 何が何でも合格したい、通訳ガイドになりたい、という熱意を示すこと。
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